本記事の発表は1年前の2022年のものであることに記事を書いた後に気付きました。誤った情報を配信してしまい、申し訳ありません。
楽天VTによる発表が1年前であることを考慮して、今現在の状況で楽天VTへの投資がおススメかどうかという視点の記事に書き換えましたので、ご容赦ください。
おはようございます!!
今日は、楽天VTの改訂(組入れETFの変更)より1年経ちました。楽天VTの中身が少し変わってからパフォーマンスなどはどうなっているのか、そして楽天VTへの投資はおススメできるのか考察してみました。
正直に言うと、楽天投信投資顧問やっちゃったなwwといいったところでしょうか。楽天VTの最新の運用報告書は2022年7月のものです。本当は今年の7月の運用報告書を見たかったのですが、ないものはしょうがないです。
楽天VTへの投資はおススメなのか、それではどうぞ!!
外部リンク・・・https://www.rakuten-toushin.co.jp/news/pdf/20220415vge.pdf
運用報告書2022年7月
・・・https://www.rakuten-toushin.co.jp/fund/nav/rivge/pdf/rivge_A202207.pdf
楽天VTの投資対象ETFにVTIとVXUSを追加から1年経過
楽天・全米株式・インデックスファンド(通称:楽天VT)とは、バンガード社の人気ETFであるVT(FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動し、世界中株式約8000銘柄、世界の時価総額の約85%に投資、経費率0.07%)に投資している大人気の投資信託でした(過去形)。
そんな中、楽天VTは、2022年4月15日に投資対象ETFにVTにVTIとVXUSを追加されました。下は楽天VTの目論見書から引用した投資方針になります。
これだけ見ると、どういうこと?と思うかと思いますので、解説していきます。まず追加されるETFであるバンガード・トータルストック・マーケット(VTI)とバンガード・トータルインターナショナルストック(VXUS)についてです。下はYahoo finance Usaから引用した株価チャートです。2009年からのパフォーマンスはVTI>VT>VXUSですね。米国がやはり強く、米国外のパフォーマンスはイマイチ、米国と米国外の間がVTと言ったところですね(当たり前だけど)。
VTIとはCRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動しており、全米の株式約4000銘柄、米国市場の時価総額約99%に投資しています。経費率は激安の0.03%です。VXUSとはFTESグローバルオールキャップ(除く米国)・インデックスに連動しており、米国を除く全世界の株式約7900銘柄に投資しており、経費率はこちらも激安の0.07%です。
上の説明は、要するに、楽天VTはこれまでVTのみを買付けていたが、これからはVTIとVXUSを買付けて、トータルで米国株式:米国外株式=60:40になるようにしてVTの比率に寄せているということです。
VTとVTIはこちらで解説しています。
目的は、信託報酬の削減
では、なぜ楽天投信投資顧問は、楽天VTに新たに2つのETFを組み入れると言うまどろっこしいことをしたのか。それは、信託報酬の削減をするためです。楽天VTの信託報酬は最近の低コストインデックスファンドが乱立している状態では、信託報酬0.195%(実コスト0.23%)とコスト競争から取り残されていると言わざるを得ないです。実際、オルカンことeMAXIS Slim 全世界株式は信託報酬0.1133%(実コスト0.17%)、SBI V 全世界株式(以下SBI VT)の信託報酬は0.1338%(実コスト0.16%)です。
ここで、投資するETFをVTのみ(経費率0.07%)からVTI(60%)+VXUS(40%)とすることで、経費率を 0.03%×0.6+0.07%×0.4=0.046% に下げることができます。そうやって信託報酬を下げたいのが楽天投信投資顧問の狙いになります。
でも、組入れETFを変えるだけだと、最大で信託報酬を0.024%(ETFの経費率の差)しか引き下げられないので、それでもオルカンやSBI VTの信託報酬には及びません。楽天投信投資顧問は他の部分で信託報酬を引き下げる努力が必要なのではないでしょうか。
もはや『VTではない商品』である
でも、この方針はどうなのでしょうか、楽天VTの売りは、あの泣く子も黙る人気商品のVTを投資信託で買えることだと思うのです。そもそも、VTIはFTSEには連動していないですからね。楽天VTは『VTじゃない商品』になってしまったというわけです。これだと、自分で複数の投資信託やETFを組み合わせてポートフォリオを組むのと何も変わりません。
なんだか楽天VT、魅力のない商品になってしまいましたね・・・複数のETFを組み合わせて運用する場合、わかりやすいという売りもなくなった上に、指数からの乖離やパフォーマンスの低下が懸念されます。個人で運用していても1本のETFのみにした方がどう考えても簡単ですからね。
下は楽天VTの運用報告書から引用した組入れ銘柄です。2022年7月時点だとまだ90%近くがVTなので、VTIとVXUSが増えてくるとどうなるでしょうか。2022年7月時点での指数からの乖離は-0.7%であり、SBI VTの指数からの乖離(-0.6%)と同等です。
やはり今年7月の運用報告書を見ないとまだ何とも言えないですね。
これからどうする?
楽天VTは1年前にもはやVTと呼べない商品となってしまっています。こんな状態でも意外と資金流入は続いており、純資産額は2022年4月から1000憶円以上増えてますが、マハトマは個人的に今後楽天VTへの投資は積極的にはおススメしません。では、どうしたらよいでしょうか?あくまでマハトマ個人的な意見です。
楽天VTに既に投資している場合
既に楽天VTに投資してしまっている場合、上述した懸念(指数からの乖離やパフォーマンスの低下)を気にしない場合はそのまま投資を継続してもよいと思います。実際に楽天さんの運用がうまく、指数からの乖離やパフォーマンスの低下はないかもしれませんし(今年7月の運用報告書で要確認)。私の場合は看過できないので、オルカンかSBI VTへ乗り換えます。乗り換えると言っても、楽天VTは保有したままで、新たに買付けるのをオルカンかSBI VTにするという意味です。
これから全世界株式インデックスファンドに投資する場合
これから全世界株式インデックスファンドに投資しする場合、オルカンかSBI VTにすることをおススメします。わざわざ魅力減な上に懸念が多い楽天VTに今から投資する意味はないです。
オルカンかSBI VTにするかは好みですが、VTを投資信託で買いたい場合はSBI VTを、指数は変わってしまう(ACWI)けど純資産額が多く安定感抜群な商品がよければオルカンですかね。ちなみに、ACWIとVTのパフォーマンスは大差ないのでお好みでよいです。
オルカンやACWIとVTのパフォーマンスについてこちらで解説しています。
マハトマの感想・・・楽天さん、いじるのはそこじゃないんだよ
最後にマハトマの感想を言わせてください。楽天投信投資顧問さん、組入れETFを変える前にやることあるでしょwwwてところです。信託報酬を引き下げたければ、SBI VTが同コンセプトの商品で1.338%の信託報酬を実現できているのだから、単に楽天投信投資顧問の企業努力が足りないのじゃないかと思いました。
客寄せのために信託報酬を引き下げたいという気持ちはわかるわかるけど、いやいや違うんだ、ちょとズレてるんちゃうwwと思いました。でも、実際にに運用すると指数からの乖離などは起きずに上手に運用するかもしれませんので結果を見せてくれと言ったところでしょうかね。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。