マハトマのあげあげマネーリテラシー

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2023年4月現在の個人的なベスト米国ETF12+4選!!

 こんにちは!!

 今日はマハトマ的なおススメ(ベスト)米国ETFを紹介します。基本的には資産運用のコアになる株式ETF12本を紹介しますが、番外編としてディフェンシブな債券型ETF4本も紹介します。いずれもマハトマが自信をもっておススメするETFですので参考にしてみてください。

 それではどうぞ!!

私的なベストな米国ETFを紹介します!

①これ1本でポートフォリオ完成!コアに最適な5本

 最初に、これ1本で立派なポートフォリオになる、万人におススメできる5本を紹介します。よく言われるコア(守り)サテライト(攻め)戦略のコアになる部分を安心して任せられる鉄板の5本です。5本の中で特にVTをおススメしますが、いずれも甲乙つけがたい素晴らしいETFです。下に各ETFの15年間のトータルリターンを示します。米国株式のVTI、VOO、IVVはほぼ同じリターンですが、世界株式のVTは米国以外の株価の影響を受けて他の4本からかなりアンダーパフォームしています。ちなみに、コア:サテライトの比率は8:2が基本らしいですが、好みで比率は変えてよいと思います。

VT、VTI、VOO、IVVのトータルリターン(portfolio visualizer)

VT(全世界株式インデックス)

 大手資産運用会社のバンガード社が運用する分散投資の王様のようなETFです。FTSEグローバル・オールキャップ・インデックスに連動しており、世界中株式約8000銘柄、世界の時価総額の約85%に1本のETFで投資できます。経費率(投資信託の信託報酬)は驚異の0.07%と激安で純資産額は約3.5兆円と十分潤沢です。VTのすごいところは、成長国が出てきたら自動で資産配分を調整してくれるところ。私がVTを特におススメする理由です。ただ、全世界株式と言いながら、実は構成比率の60%は米国株であるという事実は別のETFと組み合わせるときに忘れてはいけません。

VTI(全米株式インデックス)

 こちらもバンガード社が運用する全米株式に分散投資するETFです。CRSP USトータル・マーケット・インデックスに連動しており、全米の株式約4000銘柄、米国市場の時価総額約99%に投資できるETFです。経費率は0.03%と激安、純資産額は約37.5兆円と4番目に大きな米国ETFになります。

VOO or IVV or SPLG(S&P500連動)

 VOOはバンガード社、IVVはブラックロック社、SPLGはステートストリート社が運用する米国S&P500に連動するETFです。S&P500とは米国大型の優良500銘柄で形成される指数で、米国市場の時価総額比率約80%を占めており、世界で最も有名な指数(NYダウの方が有名?)でもあります。VTIとの違いは中小型株を含まないことです。経費率はVOOとIVVが0.03%(VTIと同水準)の中SPLGが0.02%と最安値!純資産額はVOO:約38.2兆円、IVV:約40.8兆円と、3位と2位の規模、SPLGが少し少なくて約2.1兆円(十分な額)です。1株の価格がSPLGのみ100ドルを切っていて経費率が最安なので投資しやすいと思います。

②キャピタル(値上り益)狙い!攻めの3本

 つぎに、①より高いリターンが期待できる3本を紹介します。ここ10年で高いリターンが期待できるのはグロース(成長)株と言われています。特にテクノロジー関係に投資するとS&P500の2~3倍のリターンを得ることができています。コアサテライト戦略のサテライト(攻め)になる部分ですね。下にportfolio visualizerで出したQQQ(NASDAQ100連動)、VUG/VONG(米国大型グロース株)をVOO(緑線)のトータルリターンと比較しています。いずれもVOOを大きく上回っており、特にQQQのパフォーマンスは特筆すべきものがあります。ただし、大きな値上がり益が期待できることは株価下落時の下落幅も大きいということです。①で紹介したETFよりも価格変動に振り回されずに保有し続けることは難しいことは頭に入れておきましょう。

QQQ、VUG、VONGのトータルリターン(portfolio visualizer)

 ちなみに、QQQと同等のリターンを出しているETFにVGT/XLK(米国情報技術セクター)がありますが、単一セクターへの投資と尖った商品なので紹介しません。

QQQ(NASDAQ100連動)

 インベスコ社が運用するETFで、米国振興株市場NASDAQの時価総額比率上位100銘柄(金融除く)でできた指数NASDAQ100に連動します。NASDAQ100は半分が情報技術セクター(Appleなど)なのが特徴です。現在は情報技術セクターばかりですが、将来他のセクターの調子が良くなったら自動で入れ替えてくれます。経費率は0.20%と他のETFより少し高め、純資産額は約23兆円と5番目に大きな米国ETFになります。NASDAQ100指数といったら何といっても過去10年の圧倒的なパフォーマンスです。インデックスファンドで12年で6倍というパフォーマンスは他の指数ではないのでは?

VUG or VONG(米国大型グロース株)

 どちらもバンガード社の商品であり、VUGはCRSP USラージキャップ・グロース・インデックスに連動する約280銘柄、VONGはラッセル1000グロースインデックスに連動する約500銘柄に投資しています。いずれもパフォーマンスはVOOより高くQQQよりは低いです。VONGの方がVUGより少しばかりパフォーマンスは良いようです。VUGは経費率0.04%で純資産額約10.8兆円、VONGは経費率0.08%で純資産額約1.5兆円と規模と経費率はVUGに利があるようです。よく似た商品ですが、私は投資銘柄数が多く少しリターンの高いVONGが好みですね。

③腰の強いポートフォリオに!守りの4本

 ②とは対照的に、ポートフォリオの価格変動をマイルドにしてくれるのを期待できる3本を紹介します。コアサテライト戦略のサテライト(守りをプラス)になる部分です。②で紹介したグロース株は配当が少なくボラティリティが大きい傾向にありますが、一方ディフェンシブセクター(食品、医薬品など)株はボラティリティがが小さく、配当が多い傾向にあります。下にportfolio visualizerで出したVHT(米国ヘルスケアセクター)、VIG(米国連続増配株)、VYM(米国高配当株)をVOO(緑線)の2010年以降のトータルリターン比較です。パフォーマンスはVHT>VOO>VIG≧VYMとなります。

VIG、VYM、VHTのトータルリターン(portfolio visualizer)

 ディフェンシブなETFなので、VOOよりパフォーマンスが劣るのは問題ないですが、VHTはVOOよりボラティリティ(価格変動)が小さく、高パフォーマンスととても優秀です。ディフェンシブなETFとしてはVDC/XLE(米国生活必需品セクター)もありますが、こちらのパフォーマンスはVYMの同等以下ですので、あえてセクターETFで投資する意味はないと思います。

VIG(米国連続増配ETF)

 バンガード社が運用しているETFで、S&P U.S. ディビデンド・グロワーズ・インデックスに連動する約250銘柄に投資しています。連続増配とあるように、10年以上連続で増配している大型株が対象です。連続増配できる企業は連続で黒字であること、EPSが増加傾向など厳しい項目をパスした財務優良企業群のETFです。分配金利回りが1.8%ほどと現時点では高配当でないことは注意です。組入れ銘柄はジョンソンエンドジョンソンなど誰もが聞く優良企業ばかり。このような優良企業は概してディフェンシブなので株価下落時の暴落耐性は高めです。経費率0.06%と激安で、純資産額約8.8兆円と潤沢なのもGOODです。

VYM(米国高配当株ETF)

 こちらもバンガード社が運用するETFで、FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックスに連動する約400銘柄に投資しています。配当が高い≠ディフェンシブですが、組み入れ銘柄にはP&G(生活必需品セクター)などディフェンシブな銘柄が多く組み入れられています。そして、名前通り分配金利回りが約3%と高配当なのも魅力的です。経費率0.06%と安く、純資産額約6.6兆円と十分に大きなファンドです。

 高配当ETFは他にもHDV(ブラックロック社)、SPYD(ステートストリート社)などありますが、セクターバランスや銘柄数やリターンなどのトータルバランスが良いVYMを私はおススメします。

VHT or XLV(米国ヘルスケアセクターETF)

 VHTはバンガード社、XLVはステートストリート社が運営しており、今回おススメで唯一のセクターETFです。VHTはヘルスケアセクターの大型~小型株の約420銘柄、XLVは大型株の約60銘柄に投資しているという小さな違いはあります。ヘルスケアセクターは、ファイザーなど医薬品を製造するセクターで、いつの時代も医薬品は一定の需要があるため、今後も停滞することはないまさにディフェンシブ!なセクターです。私は基本セクター分散すべきと考えている人間ですが、ヘルスケアだけはトッピングしてもよいと思います。経費率はどちらも0.1%(両社のセクターETFの経費率は全て0.1%)と安く、VHTは純資産額約2.3兆円、XPLは純資産額約5.3兆円と十分な規模です。ただし、分配金利回りがどちらも2%弱と高くないのは注意。

 VHTとXLVの細かな違いとして、VHTは中小型株を含み、XLVは大型株のみであること。また分配金利回りはXLVの方が少し高く、トータルリターンはVHTの方がわずかに高い傾向にあるようです。いずれにしても微細な差です。私個人的な好みとしては投資銘柄の多いVHTです。

番外編:ポートフォリオの守りを強化!債券型の4本

 ここでは番外編として、③よりもさらにポートフォリオの価格変動をマイルドにしてくれるのを期待できる債券型ETF4本を紹介します。債券は一般的には株式よりも価格変動は小さいです。下にportfolio visualizerで出したAGG/BND(米国総合債券)、JPST(米国超短期債券)、SHV(米国短期国債)をVOO(緑線)の5年分トータルリターン比較です。パフォーマンスはVOO≫JPST≧SHV>AGG(BND)、価格変動はJPST/SHVがほぼなし、AGG(BND)は直近の金利上昇で値を下げています。

AGG(BND)、JPST、SHVの5年分トータルリターン(portfolio visualizer)

 債券(特に長期債券ETFのTLTなど)は一般的に株式の値動きとは逆相関の傾向にありますが、直近の金利上昇局面では、そのようなことはなく、2022年以降株価と一緒に債券ETF(特に長期債券型のTLTなど)も値を下げています。債券ETFは株の暴落時の値動きのクッションになってくれると信じていた私は面食らったわけです。

 そのようなことがあったので、債券ETFに株式ETFのバッファーとなってもらうことは期待していません。債券ETFに期待するのは、底堅い値動き(守り)と分配金であることを前提として選定しています。

BNDまたはAGG(米国総合債券ETF)

 BNDはバンガード社、AGGはブラックロック社が運用する、どちらもブルームバーグ・バークレイズ 米国総合指数に連動するETFです。債券ETFといったらコレっというほどあまりに有名な2本です。米国のBBB以上(投資適格債)の優良債券に幅広く投資しています。経費率はどちらも0.03%と激安です、純資産額はBND:約12.3兆円、AGG:約11.9兆円と、全米国ETFで8位と9位の巨艦ファンド(債券ETFでは1位と2位)です。

 分配金利回りはどちらも2023年4月現在で約2.5%/年です。基本的に底堅い動きはしていますが、やはり2022年からの金利上昇で価額を下げていますね。私もAGGを保有していますが10%近いマイナス評価です。今回の金利上昇局面で株価と同時に債券価格も下がり、債券投資のあり方を見直す良いきっかけになりました。

JPSTまたはSHV(米国短期債券ETF) ※分配金利回りに要注意

 今回の金利上昇局面で価額を下げなかった債券ETFがあります。それが、JPモルガンが運用するJPST(米国超短期債券ETF)とブラックロック社が運用するSHV(米国短期国債ETF)です。どちらも残存期間1年以下の超短期の債券に投資しています。国債に限定していないJPSTの方が分配金利回りが高くなる傾向にあります。現在の分配金利回りはどちらも約2.5%/年です。

 上のグラフでこの2本の底堅さはわかりますが、長期債券に投資するTLT(残存期間20年超)と短期国債に投資するVGSH(残存期間1~3年)とトータルリターンを比較してみます。リターンはTLT>AGG(BND)>VGSH≧SHVと債券の残存期間が長いほど良いです。ただ、2022年以降の金利上昇局面ではSHV以外は価格を下げています。TLTは、株価と逆相関になるのを期待して保有している人が多いと思いますが、2022年以降は期待に応えてくれず厳しい状況と言わざるを得ないでしょう。

AGG(BND)、SHV、VGSH、TLTの12年分のトータルリターン(portfolio visualizer)

 JPSTは経費率0.18%で純資産額約2.4兆円、SHVは経費率0.15%で純資産額約3.1兆円と大きな差はないです。ただ、注意点としてこの2本はキャピタルゲインは全く期待できないため、分配金のみがリターンに効いてくるようになります。今のような高金利(債券の利回りも高い)時は問題ないですが、もし低金利になり分配金利回りが1%を切った場合、経費率や為替手数料などの手数料を差し引くと手数料負けする可能性があります。これらを買付る場合は、分配金利回りがどんなに低くても1%を超えていることを確認することをおススメします。そのリスクはあったとしても、この底堅い値動きにはとても魅力を感じます。個人的にバンガード社が同コンセプトのETFを経費率0.1%未満で出してくれることを期待しているのは内緒ですww。

マハトマの個人的なおススメ運用方法は?

 最後にマハトマが個人的におススメする米国ETFの運用例についてです。

案1:①のいずれか1本で立派なポートフォリオに

 最もシンプルで管理も楽な方法がこの方法。投資資金が数千万もあればいくつものETFに分散投資することも問題ないですが、1千万円未満の場合は買い付けるのはできてもETFのリバランスは購入が1株単位で高額になりがちなため、難易度は高いと思います。その点、①で紹介したうち1本のETFを積み上げるだけでポートフォリオが完成するので、とても魅力的です。

案2:①にお好みで②か③をトッピング

 コアサテライト戦略のコアを①で紹介したETFで、サテライトにキャピタルゲイン(値上がり益)を強化できる②のETF、守りを強化できる③のETFを、分配金がもっと欲しい場合はVYMをお好みでトッピングするのがよいです。ただ、上でかいたように、あまりETFの本数を増やすとリバランスが大変になるため、本数はできるだけ少ないのがおすすめです。

 私がトッピングするなら、VTI+QQQ(キャピタル狙い)、VOO+VONG(キャピタル狙い)、VTI+VYM(インカム狙い+ディフェンシブ)といったところでしょうか。ほかにもいろいろ組み合わせがありそうです。

案3:十分に資産がある場合はAGGまたはBND1本で

 そもそも運用資産が1億円あれば、AGGかBNDで運用するだけで毎年250万円(税引前)の分配金(2.5%の場合)が得られるわけです。これだけの配当収入があれば無理に株式ETFで運用する必要はないですね。十分な資産を持っていて、積極的に増やす必要がない場合はAGGかBND1本のみの運用でOKなわけです。

 今日も最後まで読んでいただいてありがとうございました。

 追伸1:おススメETFにS&P500連動のSPLG、米国ヘルスケアセクターにXLVを追加しました。

 追伸2:バンガードの超短期債券ETFは日本からは買えないけどありました。VUSBという経費率0.1%のETFです。それよりもブラックロックのSGOVは経費率0.05%ともっと優良です。日本で発売して欲しい('Д')

  追伸3:2023年8月にS&P500連動のSPLGの経費率が0.03%→0.02%に引き下げられたので記載しました。